Snow Doll ~離れていても君を~
*
放課後。
2年2組の私と海里は、5組のケイを待つため廊下で待っていた。
海里は壁にもたれ、窓の外に広がる雪景色を見下ろしている。
そのとき、男子数人のグループが私達の前を通り過ぎ、何か噂話をしていたので思わず耳をそばだてた。
「椿(つばき)高に、超絶美人な姫がいるって知ってるか?」
「ああ、蒼生高の近くの高校だろ?」
「一回、見てみたいよな」
「今度、椿に行ってみるか」
「他の高校の奴らも狙ってるらしいから、乱闘にならなきゃいいけどな」
彼らはそのまま廊下の角を曲がり、話し声も遠ざかっていく。
「椿高の姫って。何の話してたの?」
気になった私は隣に立つ海里へ小声で尋ねる。
「その女も、あんたみたいな立場にいるってことだよ。悪く言えば人質、か」
前に会った樹莉さんのような立場の人だろうか。
みんなに、守られていた。
人質ということは、私もその姫も、何かに利用されるということ……?
「姫……。海里も手に入れたいとか思うの?」
「興味ない」
どうでも良さそうな返事にどこかホッとする私。
「超絶美人なんて言われたら、ちょっとくらい見てみたいと思わない?」
「さあ。俺はあんたで手一杯だからな」
それ、手がかかるっていう意味?
反論しようとしたら、海里がぽつりと言った。
放課後。
2年2組の私と海里は、5組のケイを待つため廊下で待っていた。
海里は壁にもたれ、窓の外に広がる雪景色を見下ろしている。
そのとき、男子数人のグループが私達の前を通り過ぎ、何か噂話をしていたので思わず耳をそばだてた。
「椿(つばき)高に、超絶美人な姫がいるって知ってるか?」
「ああ、蒼生高の近くの高校だろ?」
「一回、見てみたいよな」
「今度、椿に行ってみるか」
「他の高校の奴らも狙ってるらしいから、乱闘にならなきゃいいけどな」
彼らはそのまま廊下の角を曲がり、話し声も遠ざかっていく。
「椿高の姫って。何の話してたの?」
気になった私は隣に立つ海里へ小声で尋ねる。
「その女も、あんたみたいな立場にいるってことだよ。悪く言えば人質、か」
前に会った樹莉さんのような立場の人だろうか。
みんなに、守られていた。
人質ということは、私もその姫も、何かに利用されるということ……?
「姫……。海里も手に入れたいとか思うの?」
「興味ない」
どうでも良さそうな返事にどこかホッとする私。
「超絶美人なんて言われたら、ちょっとくらい見てみたいと思わない?」
「さあ。俺はあんたで手一杯だからな」
それ、手がかかるっていう意味?
反論しようとしたら、海里がぽつりと言った。