君は友達。
第一章

プロローグ

ドンッと、膝をついた。

痛かった。

物理的に。

心、なんてなくなったんじゃないかと錯覚するほど何も思わない。

それが顕在化しているせいかもしれない。

また、私は言い聞かせるのだ。

大丈夫、いつか。

いや、明日には靄がかかって思い出したくてもうっすらとしか思い出せなくなるよ。

だから、今だけ。
時よ、早く過ぎろ。

そうだ、もっともっと飛ぶように早く。

私が駆けるよりもずっとずっと早く。


悲しい時が終わるなんてこと、知っている。

時が流れるのだから。
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