この世界の色を知るまで
目を開けると、そこには男の人が立っていた。
「なんでこんなところで寝てるんだ。もう夜も深い、早く帰れ。」
父親のようにその人は言う。
なんだかおかしくなって私は笑った。
「起こして下さってありがとうございます。でも家には帰りたくないんです。放っておいてもらって大丈夫です。」

にこにこと笑顔で言う。
線引きをする。これ以上入ってくるなと。

「それなら俺の店に来るか?」
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