怨返し─赦されない私の罪─
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京吾は病室で携帯に映し出された画像をじっと眺めるように見ていた。
京吾と清都と来希の三人の集合写真。いつものように集まっていた体育館裏で、制服姿の一枚。
まだ絡み始めだったが、すぐに意気投合したので三人とも笑顔でカメラに向いていた。
...今撮ったら俺は笑顔になれんのかな?多分無理だろうなぁ〜。うん、無理だ。俺が出来たとしても清都はともかく来希は無理そうだな。
俺は今、二人を見限ろうとしていて、来希はその事に気付いているだろうしな〜。
そんな悟ったような事を思っていると、病室のドアが勢いよく開く。
目線を向けると、竜が片手に紙袋を持っていた。
「....お前昨日も一昨日も来たってのに...暇人かよ。」
「だから今はオフの時期って言ってんだろ?この時間帯は暇に決まってんだろ。」
「いや、普通に働けや。アルバイトとかする気ねぇの?」
「ねぇな。あったとしても雇ってくれる所なんて見つからんだろうし、こっちの仕事の方が全然儲かる。」
竜はベットの近くの椅子に腰をかけ、紙袋から一冊の本を取り出し、京吾に差し出した。
「ほれ。昨日買ってくんの忘れた要望の本だ。」
京吾はスマホの電源を落とし、本を受け取るとすぐさま読み出した。