怨返し─赦されない私の罪─
数秒の沈黙が流れ、竜が喋りかけようとした瞬間、また勢いよくドアが開いた。開けた本人は清都だった。
「京吾ぉ!!はぁ...はぁ....」
清都は汗だくでいつもは整っている髪の毛をクシャクシャにしての登場。ヘトヘトの状態で京吾に向かってゆっくり歩いてきた所、竜は眉間にシワを寄せた。
「てめぇ!!うるせぇんだよ!静かに入れねぇのか!?何時だと思ってる!!まだ朝の十時だぞこら!!他の人に迷惑だろうが!!」
「おい竜。てめぇの方がうるせぇし、お前も勢いよくドア開けたじゃねぇか。」
そう怒鳴られた清都だが、まるで竜はいない者としているかのように、京吾だけしか視界に無かった。
京吾のベットの目の前に来ると、清都は膝をかくりと落とし、あろうことか泣き始めた。
「うう....京吾...昨日の件....本当に...本当にすまなかった...で、でも俺...どうすりゃあいいのか分かんなくてよ....まさかあんなことが...許してくれぇ...」
京吾と竜は清都の言っていることが分からなく、二人顔を見合わせた。
昨日は二人とも清都には会っていない。会っているとすればそれは一昨日の話だ。
「清都...何言ってんだ?お前が言いたいのは一昨日のことだろ。泣くほど気にするんなら、切り替えて目撃者見つけにいけよ。
学校サボってまで俺に謝ってもしょうがねぇだろ。」