怨返し─赦されない私の罪─
京吾の一言を聞いて清都はバッと頭を上げた。涙を零しながらも、呆然と京吾の顔を見ていた。
「....昨日のこと...誰にもまだ聞いてねぇのか?」
「あ?昨日なんかあったのか?」
清都は思い出してしまったのか、涙が更に溢れ出し、跪きながら泣いてしまう。誰よりも強がってみせた清都のこの様子、二人とも嫌な予感はせざる得なかった。
「ううう....京吾.......ら、来希がぁ...」
「来希がどうした?」
「来希が....死んじまった...」
どんな事にも動じず、冷静に対処してきた京吾の心は、このたった一言で大きくぐらついた。