怨返し─赦されない私の罪─


「待って清都。」


「んだよ?時間だ。さっさといかねぇとそれこそキレるぞ?」


「あんた、なんで裕子の挑発にあんなに反応してたの?それに敵に回すって今改心しようとしてた来希のことも言ってたよね。
来希は....本当に改心するつもりで呼んでるつもり?」


「え?え?よ、呼び捨て....」


清都のお腹の中が冷たい水がグッと上へ上がるような感覚になった。言葉を滑らせ、頭がパニックになったが、何故か口はすぐに開いた。


「そ、そんなの俺が知るわけねぇだろ?今日初めて聞かされたんだよ。悪いか?」


「...やっぱいい、分かった。すぐ向かう。裕子、立てる?」


「あ、あっ...えと、は、あっ...う、うん。」


顔を真っ赤に染めた佐々木を立たせると、依奈は自分の鞄を持ちながら、佐々木と手繋いでついて行った。
さっきまで名字で呼ぶ中だったのに、急に何段もステップアップしていたことに、佐々木は戸惑いつつも嬉しさでいっぱいだった。

清都は一見冷静ぽいが、内心は凄く焦っていた。佐々木の変わり様と、そしてこれから起こす事。


やべぇ...佐々木のやつ腹括りやがった....京吾の言ってたとおり、限界超えたら何しでかすかわかんねぇな...
来希のやつ、どんな準備してるか知らねぇが、ここは一旦やめとかねぇと....
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