怨返し─赦されない私の罪─


汗をダラダラとかきながら、三人は体育館裏までやってきた。
だが、そこには待っているはずの来希の姿が見えなかった。なんのホコリもない綺麗な地面が中央辺りにあるだけだった。


「は?どこいったんだ?あいつ....
ちょっとお前らそこで待ってろ。」


清都は二人を待たせ、ポケットからスマホを取り出しながら二人から距離をとった。


よっしゃ!これで来希に話せる!自然!こっちがビビってるって思わせない程の自然!あったまいいな俺!


清都はテンション上がりながら来希に電話を掛けた。だが、何回もコールしても来希が応答することは無かった。


「あれ?出ねぇ...一体なんの準備を....
あっ!もしかして...」


清都は隅の方にある体育倉庫へと足を進めた。体育倉庫は清都達が来たところ、体育館裏とは入り口が背を向けるような構造になっていた。
清都が入り口の所まで来ると、案の定そこには来希の鞄と外れた南京錠があった。


「まぁそうだよなぁ〜。準備っていったらここだろうしなぁ〜。」


来希の鞄の隣に自分の鞄を置き、力を込めて重い扉を開けた。


「おぉい来希〜。ちょっと話が...
うわぁ!なんだ?この臭い....」
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