怨返し─赦されない私の罪─
扉を開けるといつものような土臭い倉庫の臭いとは全く違う悪臭が漂っていた、
山などで臭う獣臭に近い臭いが清都の鼻を刺激し、思わず鼻をつまんだ。
「おいおい...一体なんの実験してんだよ....おぉい!来希!くせぇんだけど、何やってんだ?」
そう言っても暗闇に包まれた倉庫からは何も返事はなかった。清都はスマホを操作し、ライトを照らす。
照らした瞬間、臭いの正体はすぐに理解した。この世には知らなければよかったこともあるというのを清都は思い知らされた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
清都はあまりの恐怖に腰を抜かし、その場で尻餅を着いた。
その声を聞いて、依奈と佐々木はすぐに駆けつけた。
「清都?ど、どうしたの?」
依奈が聞くと、清都は倉庫内の暗闇に震える指で指した。清都の異常な様子、依奈は大きく唾を飲み込み、自分のスマホのライトで暗闇を照らした。
依奈は目を見開き、驚愕した。自分の目の前の景色が現実とはあまりにもかけ離れていたのを、依奈は受け入れなかった。
一方、佐々木は口に手を抑え、嗚咽をしながらその場で座りこんだ。
「な....なんなの...これ...一体なんで来希が...」
依奈はすぐに警察と病院に電話をした。
電話口の人も耳を疑う事件だった。