怨返し─赦されない私の罪─
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そこで清都は言葉を詰まらせ、思い出してしまったのか、口に手を抑えた。
竜は冷や汗をかきながら、清都の手を無理やり剥ぎ取り、顔を険しくして言い寄った。
「なんなんだ!!倉庫内になにがあったんだよ!!」
清都は瞳孔をプルプルしながら、視線を逸らしガチガチと歯ぎしりを立てながらも、竜の質問に答えた。
「...ら、来希は....来希の死因は溺死でした...」
「は?溺死だと?体育倉庫でか?ふざけんのもいい加減にしろよてめぇ!!!」
竜が清都の胸ぐらを勢いよく掴んだ。だが、清都は竜の言葉に我慢ならなかったのか、逆らえなかった先輩の手を強引に剥いだ。
「はな、せよ!!俺だって冗談だったらどんなにいいことか!....うう....」
「...ってめぇ...一回死んどくか?...」
するとここで京吾はゆっくりと口を開いた。
「竜....黙って聞いとけ。清都、溺死の理由は分かってんのか?」
「溺死の理由?んなの...誰も想像つかねぇよ....問題なのは何で溺死したかなんだよ...」
「...水とかじゃないのか?」
「来希は....来希の野郎は水なんかで溺死はしてない...
...."虫"だ...」
清都の口からは思いもよらない言葉を聞き、二人とも耳を疑う。虫、確かにそう言った。だが、その意味が分からなかった。