怨返し─赦されない私の罪─
本来ならスカッとする所だが、章太を止めるとなった以上、その二人にも章太の手に落ちて欲しくなかった。
「まぁ、そんなドクズがどうなろうと知ったこっちゃあないけど...私が気になってるのはあなた。」
静華はゆっくりと顔目がけて指をさした。顔をさされていたのは美苗だった。
美苗は困惑した表情を作り、何歩か後退りした。
「え?私?...や、やめてよ...私そんな依奈みたいな気はサラサラ無いって....」
私だってないんだけど...
心の中でボソッと、そしてすぐに消えかかってしまう独り言を悲しく呟く。この勘違いは結構取り除くには大変になるかもしれないと依奈は思っていた。
一方、静華はフッと息を漏らして首を左右に振った。
「あなたの容姿には興味無いわ。気になるのはあなたのオーラよ。」
「え?私のオーラ?」
「あなたと裕子さん?だっけ?差があまりにもある。その差はなんなのかしらって思ってね?」
そう言われると、美苗は少し顔を硬直させ緊張気味な表情になった。
「な、何が言いたいの?」
「オーラの大きさはその人に対する思いで変わってくる。あなた、過去に章太君となにかあったのかしら?そこを私は聞きたいのよ。」