怨返し─赦されない私の罪─
「と言ってもお祓いの手も中々厳しいわ。章太君を成仏させるためには、呪いの根源みたいなものをお祓いしないといけない。それに元々大きすぎる怨念。今の状態じゃあ呪いの根源を見つけたとしても、成仏までは程遠いわ。」
「あれは出来ないの?アニメとかでよくある"破!"みたいな。」
美苗がお茶を飲み干してそんなことを言うと、静華は呆れた顔に変わった。
「あんなの無理よ。ただでさえ凄い章太君を祓うなら相当霊力が必要だし、あれで祓えるならとんでもなく凄い人。大抵はその場から追い出すみたいなことしか出来ないわ。」
「じゃあどうすんのよ。祓うのも無理、未練なくすのは待たない。じゃあ私達はどうすればいいのよ。」
「やれることなら章太君の呪いの根源を見つけることくらいね。私の予想では、彼は想いだけでこの世に残ってる。物とかそういうのには執着していない。だから、依奈。あなたにお祓いをしてあげれば少しは弱まるかも。
例の二人もやれば良くなるだろうけど、私は気が止まるわね。」
「か、かもってことは...か、確証は....ないってことですか...?」
裕子はまだ静華に慣れていないのか、目線を合わせないようにしてそう尋ねた。
静華は撫でている手をゆっくりと顔のラインにそって頬まで下ろし、親指を唇に当てた。