怨返し─赦されない私の罪─
インターホンの音が家になる。しかも、一度や二度ではなく、連続。
そのインターホンに全員不気味に思えた。
「...だ、誰だろ....」
「連呼してるってことは急ぎのようなんじゃない?早く出てあげなさいよ。」
そこで美苗は立ち上がり、依奈を庇うように立ちはだかる。
「何言ってんの!こんな連呼するなんて普通じゃない!絶対に章太君をだって!」
「あ、美苗。それはないよ。章ちゃんが襲ってくる時、その前には首の後ろに針が刺さるような痛みがするの。だから、多分章太ちゃんじゃない。」
「え?何それ...どういうこと?」
「それは幽霊がいるような場所で、目線を感じるとか空気が重いとかそういうのに近い現象かもね。あくまで仮説にすぎないし、そんなケースは初めて聞くからなんとも言えないけれども....
まぁ、それだったら早く出てあげれば?マスコミだとしてもそんな荒い事はしないと思うから。」
静華はスっと立ち上がると、リビングのドアを開けて依奈に行くよう態度で表した。
正直、インターホン連呼は怖かったが、逆にこれをそっちのけで話を続けられるとは思えなかった。
依奈は覚悟を決め、いつものように玄関へ行き、ドアを開けた。