怨返し─赦されない私の罪─
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依奈は走りながら、周りをキョロキョロと見回して美苗を探していた。
すぐ先にいると言われたが、中々に距離が進んでいても美苗が見当たらず、依奈は不安と焦りでいっぱいだった。
「はぁ...はぁ...美苗ぁ!!どこにいるの!!」
依奈の声には誰も反応してくれず、山の中へと消えていった。
依奈は最悪なケースを頭の中で浮かべてしまい、頭を左右に振って悪い考えを振り払った。
落ち着いて...ここで取り乱してどうすんのよ私...どこにいるの美苗...一体どこに...
そこで依奈はハッと思いつく。依奈は携帯とは反対側のポケットにしまってあったお守りを手にした。
依奈は唾を飲み込み、そのお守りを地面へと落とした。
すると、後頭部に鋭い痛みが走った。針で刺されたかのような痛み。
「ッ!痛!...ってことは、ここら辺に...」
依奈はお守りを手にし、山道から外れた草木で埋まっているところを探した。
蜘蛛の糸や虫が飛び出してきても、依奈は止まらなかった。
しばらく進んでも、何も見当たらず、依奈は再びお守りから手を離した。
先程と同じような痛みが走る。だが、先程と違う点はある一方だけ不気味に感じることだった。
邪悪で近付きたく無くなるような不気味さ。
依奈はお守りをポケットにしまうと、その一方へ向かって走った。行く手を阻む草木を掻き分けると、その先には崖があった。