怨返し─赦されない私の罪─
「....迷いっていうのは語弊かもしれない。とにかく感情がグチャグチャな感じがしている。悩んでいるって言った方がいいのかしら?とにかくこんなケースは私の中だと初めて。
そこで、やりたいことだけど、わざとここに章太君を呼び寄せようと思うの。」
お茶を飲んでいた依奈の口がピタリと止まった。唾を飲み込んで、緊張気味になっていた。
「章ちゃんを...ここに?」
「えぇ。章太君が襲うのは暗闇か夕暮れ。だから部屋のカーテンを締めて暗くし、盛り塩でこの部屋に閉じ込める。そして章太君が姿を現すまで待つの。
今の章太君は人型で現れるし、もしかしたらお祓いしなくても直接的な交渉で大丈夫かもしれない。
だけど、完全に大丈夫とは言えない。もしかしたら殺しにかかって来るかもしれない。一か八かの危険な橋だけど、章太をすぐに成仏させるのはこの方法がいいと思うの。」
「.......うん。いいよ。やろう静華。章ちゃんにはちゃんと天国に行ってもらいたい。」
依奈も静華も覚悟を決めた。
準備には時間はかからない。ものの数十秒で終わる。だが、それが何分にもかかったかのような感覚になる。
殺されるかもしれない....分かっていてもやっぱり怖い。だけど、章ちゃんは身体を張って私を守ってくれた。なら、私だって...