怨返し─赦されない私の罪─

準備を終えると、二人はベットに背中を預けてひたすら待った。章太が訪れるその時を。もう二度と出てこないかもしれない、そんな考えが過ったが、いくらでも待つと強気になってひたすら待った。

感覚的には一時間だが、準備をしてから三十分後に変化はあった。

後頭部に針を刺されたかのような痛みが走った。


「痛っ!これって....あの山でもあった...」


「うん。章ちゃんが来る。頑張ろ静華。」


薄暗い中で二人は顔を見合わせ頷いた。ぎゅっとお互いの手を握り、章太が現れるのを息を飲みながら待った。


ズキン!


「痛っ!!....え?」


またあの痛みが走って、依奈は言葉を思わず漏らした。静華もそれを感じ取ったのか、後頭部にもう片手で抑えた。


「え?二回?どういうことなの?」


「わ、分からない...いつもなら一回だけだったのに....ッ!痛ッ!」


またあの痛みが走る。三回目、明らかに異常。依奈と静華は嫌な予感を頭の中で過ぎらせると、また痛みが来る。
その痛みは段々と感覚を詰めて、そして強くなって二人を襲った。


ズキン!.......ズキン!......ズキン!...ズキン!..ズキン!ズキン!ズキン!ズキン!ズキン!ズキン!ズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキズキ!!!!!!!
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