怨返し─赦されない私の罪─
「え?....なんで知って...あ....」
静華はうっかりと口を滑らした。そのことにより、依奈の考えは的中した。静華は自分に嘘をつき、章太は成仏していない。
依奈は静華に嘘をつかれショックを覚えたが、何も話すことは無いと思い、黙って進もうとした。
だが、何故か静華は依奈の手を離さなかった。
「...静華....離して...」
「だ、駄目なの....依奈、お願い。行かないで...理由は言えない。嘘をついてたのは謝る。だから行かないで....」
依奈は静華の手を振り払って睨み付けた。静華はビクッと身体を跳ねさせて、怯えているような表情になった。
「なんで理由が言えないの!!なのに行かないでって都合がいいって静華は思わないの!?」
「そ、それは...」
静華はモゴモゴとして、何も言い返せずにいた。依奈は嘘をつかれていたこと、そして美苗の危機が迫っている焦りもあって、声を荒らげてしまっていた。
「美苗が今危ないの!章ちゃんからメッセージがあったの!だから、美苗を助けに行かないと行けないの!」
「ッ!そ、それはない!章太君のメッセージなんてそんな」
「章ちゃん以外は考えられないの!今は一刻を争うの!理由も言えないのにこれ以上時間を取らせないで!美苗は私が辛かった時に助けてくれた友達なの!最近知り合ったばっかの静華とは違うの!!!!」