怨返し─赦されない私の罪─
静華に言われて、斜め後ろのテーブルから見ていた三人の男を見た。目があわさった瞬間、三人はあからさまに目線を外し、携帯をいじっていた。
「.......あれは静華目当てじゃないの?私は静華に比べたら全然だし。」
「何言ってるのよ。自信を持たないとやっていけないのよ?私の方が遥かに美人だとしても、負けん気でいかなくちゃ。」
「静華....自分で言ってて恥ずかしくないの?」
「全く恥ずかしくないわ。自分を認めないとダメよ?人の感じでそれ相応の行動パターンが決まってくるのよ。地味目の子は控えめな行動しながら接触すればいいだろうし、逆にイケイケな子は積極的に動けばいい。
あなたも自分を評価してみなさい?まぁ、それ以前の問題を直してからけど。」
静華は依奈を言葉でボコボコにすると、珈琲を一口飲む。依奈は笑いで誤魔化しながら、心のダメージに耐えていた。
「ねぇ静華、静華の大学どう?結構偏差値高いよね?」
「まぁね。でも、ついていけそうだから単位を落とすことはあんまりないと思うわ。」
「そっかぁ〜。私なんて静華よりレベルは低いのに全然ついてけないよ〜...やっぱり私立卒と公立卒じゃあ頭の作りが違うよねぇ〜。」
「そんな言い訳する暇あったら勉強するか、自分を磨くことに集中しなさいよ。章太君に笑われるのは確定ね。」
依奈は何も言えず黙っていると、あることに気がついて、少し声量を落とした。