鳴らない電話を抱きしめて
部活とバイトに忙しい俺は、当然里緒菜とデートなんてした事が無い。
だが、例え生活の為とはいえ、里緒菜にレンタル彼氏のバイトの事は言えなかった。
理由は、軽蔑されるに決まっているからだ。
里緒菜には申し訳ないが、毎日電話で話をするから許して欲しいと頼むと、
「うん!」
と可愛く笑って頷いてくれた。
最初の内は、バイトもそれ程入らなかったから、里緒菜との約束どおり、毎日遅くまで電話もしたし、メッセージアプリでもいろんな話をしたりもしていた。
その内、バイト先から、俺指名の顧客が付くようになり、瞬く間に週末は潰れていった。
その分、生活はとても楽になり、バイト料で家賃を払えるまでにもなった。
バイトを始めた当初は、少しでも時間が出来たら、生活が楽になったら、必ず里緒菜とデートをしよう。
そう心に誓っていたのに、部活と週末のバイトの両立はなかなか大変で、里緒菜との毎晩話す約束を守れなくなる日が増えていった。
折角里緒菜がくれたメッセージにも、返信文を打ちながら寝落ちしてしまう。
次の日の朝、未送信である事に気づき、慌てて文を修正して送り直すことも度々あった。
それでも里緒菜は、だいじょぶだよ と、笑っていてくれた。
里緒菜は本当に優しくて、最高の彼女だったんだ。
そんな里緒菜の優しさに、俺は甘えきっていて、里緒菜の寂しさに気づいてもやれずにいた。
まさか…こんな結果になるなんて…
この時の俺は、まだ気付いていなかった。
里緒菜から「さよなら」のメールが届いてる事さえも……。
だが、例え生活の為とはいえ、里緒菜にレンタル彼氏のバイトの事は言えなかった。
理由は、軽蔑されるに決まっているからだ。
里緒菜には申し訳ないが、毎日電話で話をするから許して欲しいと頼むと、
「うん!」
と可愛く笑って頷いてくれた。
最初の内は、バイトもそれ程入らなかったから、里緒菜との約束どおり、毎日遅くまで電話もしたし、メッセージアプリでもいろんな話をしたりもしていた。
その内、バイト先から、俺指名の顧客が付くようになり、瞬く間に週末は潰れていった。
その分、生活はとても楽になり、バイト料で家賃を払えるまでにもなった。
バイトを始めた当初は、少しでも時間が出来たら、生活が楽になったら、必ず里緒菜とデートをしよう。
そう心に誓っていたのに、部活と週末のバイトの両立はなかなか大変で、里緒菜との毎晩話す約束を守れなくなる日が増えていった。
折角里緒菜がくれたメッセージにも、返信文を打ちながら寝落ちしてしまう。
次の日の朝、未送信である事に気づき、慌てて文を修正して送り直すことも度々あった。
それでも里緒菜は、だいじょぶだよ と、笑っていてくれた。
里緒菜は本当に優しくて、最高の彼女だったんだ。
そんな里緒菜の優しさに、俺は甘えきっていて、里緒菜の寂しさに気づいてもやれずにいた。
まさか…こんな結果になるなんて…
この時の俺は、まだ気付いていなかった。
里緒菜から「さよなら」のメールが届いてる事さえも……。