鳴らない電話を抱きしめて
~絵梨side~
部活が終わって家の前まで来たら……修哉が私の家の門前で待っていた。
今朝の話の続きなのは容易に想像出来る。
面倒臭い思いを顔に思っいっきり出しながら、私は修哉が待ち構える家の前に立った。
「何?邪魔なんだけど?」
修哉を思いっきり睨みつけると、
「邪魔とか言うなよ。」
悲しそうな顔をした修哉に見つめられた。
一瞬ドキっとしたが、コイツの友達に私の親友は傷つけられたんだから、絶対に許せるわけない。
「あんたがそんな顔しても、あんたの友達が私の親友にした事を許せるわけないから。」
修哉を睨みながらストレートに言葉をぶつけた。
修哉はなおいっそう眉をしかめながら、
「アイツが里緒ちゃんを傷つけたことは一度もない。アイツは初めて会った時から里緒ちゃんが大好きで、彼女の為に頑張ってるんだ。」
と言う。
「は?傷つけてない?何処が?里緒菜はずっと悩んで苦しんだの。会ってもくれない、連絡も無い。その寂しさを隠していつも『私はだいじょぶだから、聡は部活頑張って!』て言って笑っていたの。だからもう解放してあげて!」
私は声を荒らげて、親友の苦しんでいた姿を修哉にぶちまけた。
そんな私の言葉を聞いた修哉は、顔を顰め俯いた。
「もういい?」
私は、俯き何も言わない修哉にそう言うと、踵を返して歩き始めた。
「絵里!待てよ!!」
修哉に腕を捕まれ振り向かされた私は、
「何?まだ何かあるわけ?」
と、いらだちを抑えきれず修哉を睨みつけた。
「頼む、絵里。里緒菜ちゃんに、聡と話すチャンスを作ってやってと頼んで欲しいんだ。」
怪訝な顔をしているであろう私に修哉は言葉を続ける。
「別れるにしたって、聡に何も言わないで一方的に離れるなんて、それじゃ聡もどうしたらいいのか分からないだろ?」
放ったらかしていた聡君に、そんな事思う権利なんて全く無いと思ったけど、それもそうかと思った私は、
「分かった。じゃ、私が里緒菜を呼び出すから、あんたは聡君を呼び出して。」
「了解。」
「里緒菜の都合を聞いたら連絡するから、聡君が合わせられる日を教えて。」
「あぁ。出来るだけ早く動きたい。だから協力してくれるか?」
いつもはヘラヘラと笑っている修哉が、珍しく真剣な面持ちで言ってきたから、
「分かった。私も早く里緒菜に吹っ切って貰いたいから協力するわ。」
と、返事をした。
「ありがとう。絵里。」
深々と頭を下げる修哉に、私は慌てて
「ちょっと止めてよ!」
と修哉に顔を上げさせるように促した。
「近いけど、送るわ。」
修哉は私の手を取ると、家に向かって歩き始めた。
〜2人の友達side 完~
部活が終わって家の前まで来たら……修哉が私の家の門前で待っていた。
今朝の話の続きなのは容易に想像出来る。
面倒臭い思いを顔に思っいっきり出しながら、私は修哉が待ち構える家の前に立った。
「何?邪魔なんだけど?」
修哉を思いっきり睨みつけると、
「邪魔とか言うなよ。」
悲しそうな顔をした修哉に見つめられた。
一瞬ドキっとしたが、コイツの友達に私の親友は傷つけられたんだから、絶対に許せるわけない。
「あんたがそんな顔しても、あんたの友達が私の親友にした事を許せるわけないから。」
修哉を睨みながらストレートに言葉をぶつけた。
修哉はなおいっそう眉をしかめながら、
「アイツが里緒ちゃんを傷つけたことは一度もない。アイツは初めて会った時から里緒ちゃんが大好きで、彼女の為に頑張ってるんだ。」
と言う。
「は?傷つけてない?何処が?里緒菜はずっと悩んで苦しんだの。会ってもくれない、連絡も無い。その寂しさを隠していつも『私はだいじょぶだから、聡は部活頑張って!』て言って笑っていたの。だからもう解放してあげて!」
私は声を荒らげて、親友の苦しんでいた姿を修哉にぶちまけた。
そんな私の言葉を聞いた修哉は、顔を顰め俯いた。
「もういい?」
私は、俯き何も言わない修哉にそう言うと、踵を返して歩き始めた。
「絵里!待てよ!!」
修哉に腕を捕まれ振り向かされた私は、
「何?まだ何かあるわけ?」
と、いらだちを抑えきれず修哉を睨みつけた。
「頼む、絵里。里緒菜ちゃんに、聡と話すチャンスを作ってやってと頼んで欲しいんだ。」
怪訝な顔をしているであろう私に修哉は言葉を続ける。
「別れるにしたって、聡に何も言わないで一方的に離れるなんて、それじゃ聡もどうしたらいいのか分からないだろ?」
放ったらかしていた聡君に、そんな事思う権利なんて全く無いと思ったけど、それもそうかと思った私は、
「分かった。じゃ、私が里緒菜を呼び出すから、あんたは聡君を呼び出して。」
「了解。」
「里緒菜の都合を聞いたら連絡するから、聡君が合わせられる日を教えて。」
「あぁ。出来るだけ早く動きたい。だから協力してくれるか?」
いつもはヘラヘラと笑っている修哉が、珍しく真剣な面持ちで言ってきたから、
「分かった。私も早く里緒菜に吹っ切って貰いたいから協力するわ。」
と、返事をした。
「ありがとう。絵里。」
深々と頭を下げる修哉に、私は慌てて
「ちょっと止めてよ!」
と修哉に顔を上げさせるように促した。
「近いけど、送るわ。」
修哉は私の手を取ると、家に向かって歩き始めた。
〜2人の友達side 完~