鳴らない電話を抱きしめて
ティーポットの蓋を上げ、茶葉の開き具合いを確かめた聡は
「冷めないうちに飲もう。」
と言って、カップに紅茶を注いでくれた。
「あ、ありがとう。」
と言うと、
「俺、紅茶入れるの得意なんだ。知ってるか?紅茶は高いところから入れた方が美味しくなるんだぞ。」
と言って、ティーポットを肩の高さまで上げ、勢いよくカップに注いでいく。
「まるでテレビの登場人物みたいだろ?」
と言う聡に思わず拍手を送ると、聡はニッコリ笑って琥珀色の紅茶を私の前に置いた。
「美味し」
一口飲むと、紅茶の良い香りがいっぱいに広がった。
思わず笑顔になる私を見て、
「やっと笑ったな。」
と聡は安堵の息をもらした。
「里緒。……今までごめん!」
そう言って苦しげな表情で謝る聡に、私は何も言えなかった。
「もっと早く里緒と話すべきだった。……俺、里緒に甘えてた。里緒は全部分かってて許して受け入れてくれてるんだって思ってたんだ。
でも違ったんだよな?ずっと放ったらかしにして、彼氏らしい事何もしなくて、里緒の気持ち無視してて、里緒がそんな俺に愛想つかしても仕方なかったんだ。」
一気に捲し立てるように話す聡を、私はじっと目を逸らさず見ていた。
「冷めないうちに飲もう。」
と言って、カップに紅茶を注いでくれた。
「あ、ありがとう。」
と言うと、
「俺、紅茶入れるの得意なんだ。知ってるか?紅茶は高いところから入れた方が美味しくなるんだぞ。」
と言って、ティーポットを肩の高さまで上げ、勢いよくカップに注いでいく。
「まるでテレビの登場人物みたいだろ?」
と言う聡に思わず拍手を送ると、聡はニッコリ笑って琥珀色の紅茶を私の前に置いた。
「美味し」
一口飲むと、紅茶の良い香りがいっぱいに広がった。
思わず笑顔になる私を見て、
「やっと笑ったな。」
と聡は安堵の息をもらした。
「里緒。……今までごめん!」
そう言って苦しげな表情で謝る聡に、私は何も言えなかった。
「もっと早く里緒と話すべきだった。……俺、里緒に甘えてた。里緒は全部分かってて許して受け入れてくれてるんだって思ってたんだ。
でも違ったんだよな?ずっと放ったらかしにして、彼氏らしい事何もしなくて、里緒の気持ち無視してて、里緒がそんな俺に愛想つかしても仕方なかったんだ。」
一気に捲し立てるように話す聡を、私はじっと目を逸らさず見ていた。