もしも叶うなら、私はもう一度この大空に恋をする。



新年度となり、新一年生が入学してきます。
2、3年生は新学期早々受かれず気を引き締めて行動してください。



なんて校長先生のありきたりな話を聞き流して始業式が終わった。



担任は1年生の時と同じ英語教師の早川先生。
優しくて紳士的な先生だけど、よく授業を聞いてないと課題をその人だけ増やしたりする意外と意地悪な先生。



優しいけどそういうところがあるからあたしはみっちゃん先生がよかったな。



なんて思いながら欠伸をする。



欠伸をしたら春らしい暖かいそよ風があたしの髪をなびかせて視界の邪魔をする。



「…わ、…すごい風……っ」



乱れた髪を手ぐしで戻して向かう方向へ目を向ける。
まっすぐ前に見えた後ろ姿に足が止まってしまった。



いきなり止まったせいで後ろにいた人にぶつかってしまっても謝る余裕なんてなかった。



真白が心配そうにあたしを見ててもその背中から目が離せなかった。



< 13 / 52 >

この作品をシェア

pagetop