もしも叶うなら、私はもう一度この大空に恋をする。
なんだけど、問題はその黒板を消すことにある。
早川先生は背が高いし、なおかつ紳士だから後ろの席の子まで字が見えるように黒板の上の方に字を書く。
その優しさが生徒たちの人気の一つでもあるけど、あたしにはそれが苦痛でならない。
身長が小さいあたしからしたら背伸びをしても届かないからすごくいい迷惑なわけで。
「…と、届かな…い……っ」
つま先立ちになってあともう少しが届かない。
すると背後から大きな影があたしを覆って視界を暗くした。
それに驚いていたらいつの間にか持っていた黒板消しがあたしの手から消えて、背後から伸びてきた手の中にあった。
気付けばあんなに苦労してたのにあっという間に黒板が綺麗になっていた。
「ほんとちんちくりんだな、ちゅんすけは」