もしも叶うなら、私はもう一度この大空に恋をする。



あたしをこの呼び方で呼ぶのは一人しかいない。



ゆっくりと振り返るとそこには黒板消しをもって笑う青がいた。



下校時間になってからかなりの時間が過ぎてるのに、なんでまだ学校にいるの?



驚いて固まるあたしをよそに青は黒板消しを綺麗にして所定の場所に戻してまたあたしの前に戻ってきた。



「下駄箱でお前を待ってたら真白に会って聞いたら日直してるっていうから、手伝いに来てやった」



俺が来て助かっただろ?



なんてどや顔をされてもどや顔すんななんて言い返せない。



下駄箱であたしを待ってくれてたって青が言った。
それが嬉しくて高鳴る鼓動を鎮められない。



ねぇ、青。
それはあたしと同じように一緒に帰りたいって思ってくれてたって捉えていいの?


< 23 / 52 >

この作品をシェア

pagetop