もしも叶うなら、私はもう一度この大空に恋をする。



「てかちゅんすけ、あれから身長伸びた?」



高鳴った鼓動が一気に落ち着いた。
期待してときめいていたのに一瞬で現実に引き戻された気分。



というか失礼じゃない?



「の、伸びたわ!」



青がいなくなったのは中学二年。
その時から身長は三センチしか伸びてないことは言わないでおいた。



笑われて馬鹿にされるのが目に見えてるから。



「…てか届かないなら椅子の上に乗ればいいだろ」


「……あ、……」



そこまで思いつかなくて青の言葉が正論過ぎて何も言えなかった。



そんなあたしを見た青は笑いながらあたしの頭に手を乗せた。



「お前ほんとバカだよな」


「なっ!?バカ青に言われたくないし!」


「馬鹿じゃねぇし、お前と一緒にすんな。
……ほら、帰るぞ」



青は机に置いてあったあたしの鞄とコートをもって教室を出ていった。



さりげない優しさにまた鼓動が早くなった。
鼓動が早くなったのは青のあとを追いかけて走ったからとこの高鳴りを誤魔化した。



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