もしも叶うなら、私はもう一度この大空に恋をする。



青と並んで歩く帰り道。
コンクリートの地面にはあたしと青の伸びた影が並んでいる。



青の影はあたしのよりも長くて、青があの時とは違って大人へと成長しているんだと感じた。



なんだか青が別の人に見えてしまう。



「…青はどこの学校行ってたの?」



あたしの前からいなくなってからとは言えなかった。
青の影が聞くなと言ってるみたいで。



「藤宮高校ってとこ。中高一貫だった」


「え、そこって東京じゃ……」



文武両道の有名な学校だと真白から聞いたことがある。
「あんたじゃ100年あっても入れないよ」と言われたくらい頭がいい人しか行けないらしい。



真白が失礼なのはおいといて、青はずっと東京にいたの?



「…どうして東京に行ったの?」



あたしに何も言わずにとも言えなかったけど、ずっと気になってたことが言葉となって吐き出せたことで少し心のモヤモヤが晴れた。



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