もしも叶うなら、私はもう一度この大空に恋をする。
「……前々からずっと思ってたけどさ、アンタってほんとバカでドジだよね」
「思ってたって言うけど、それいつも口にしてるよね?」
外見はどこかのお嬢様じゃないかと思えるのに、中身は毒舌の魔性の女である親友の真白(ましろ)はあたしの赤くなった鼻をみてお母さんみたいに冷めた目を向けてきた。
あたしの周りにはあたしのことを労ってくれる人がいない。
あたしがこんなドジをするのは、あいつが久しぶりに夢に出てくるからだ。
あいつもきっとここにいたら真白みたいにバカにしてくるんだろうな。
夢に出てきたあいつは物心ついたときから一緒にいた幼なじみ。
でも中学二年の時に突然、あたしの前から姿を消した。
忘れかけていたのにそれを呼び起こすかのように見たのが今日の夢。
なんで今さらって思うけど、よく考えると今日はあいつが姿を消して4回目の春だった。
たったそれだけなのになんで……