もしも叶うなら、私はもう一度この大空に恋をする。
同じ移動教室で教室が近いから自然と青と肩を並べて歩き始める。
不思議だよね。
青にからかわれるだけだとしても、青と話せば心のどこかに潜んでいるモヤモヤを忘れてしまうんだから。
青と真白と他愛もない話をしていると前方に重そうな荷物をもって歩いている陽子ちゃんの背中をみつけた。
重そうな荷物持ってて、かなりふらついてる。
前をあまり見えてなさそうだし手伝った方が良さそう。
そう思うと自然と体は駆け足になって陽子ちゃんへ近付いた。
「陽子ちゃん、大丈夫?重そうだけど……」
「あ、雀ちゃん!
先生から次の授業に使うから運んどいてって言われて。
先生も忙しそうだから断れなくて…ね」
陽子ちゃんはわずかに肩を揺らして驚いたけど、あたしの姿を見て安心したのか一息ついた。
苦笑いを浮かべる陽子ちゃんの両手に抱えられたのは分厚い教科書や実験で使う道具がたくさん入っていた。