キミに伝えたい言葉がある



それを何度か繰り返した後、やっぱりやめようと思ったが、指が動いて送信の矢印ボタンを押してしまった。


「あ」


やばい、と思ったが後の祭りで、メッセージは莉桜菜に送られてしかもすぐに既読になってしまった。


そして、莉桜菜から返信が来る。


『元気になりましたよ』


一言と共に元気を表すスタンプが送られてきた。
その一文を見て俺はホッと息を吐く。


『それなら良かった。明日は学校行けそうか?』


一度送ってしまったら、もう気にせず次のメッセージが送れた。


『うん、明日は行く予定にしてます』


何故か相変わらず、メッセージは敬語で送られてくる。
それは、ずっと変わっていなかった。
もしかしたら、これからも変わらないだろうなと俺は小さく笑った。


『わかった』

『心配させてごめんなさい。連絡ありがとうございます』

『俺がしたかっただけだから』


そして、お休みとスタンプを押したら、同じような意味のスタンプが送られてきた。
ひとまず、体調が良くなって学校に行けるようなら良かった。
俺は安心して、ベットから起き上がって、バスタオルを床に投げてから明日の準備を始めたのだった。


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