キミに伝えたい言葉がある
「・・・」
「・・・」
2人の間に沈黙がよぎる。
話し相手、とか言って、俺はそんなに話し上手ではなかったのだった。
どうしよう、話題なにかあるか?と探していると、莉桜菜の方が先に口を開いた。
「ねぇ、真司君」
「なんだ?」
「私の話、聞いてくれる?」
小さく笑う莉桜菜。
でも、その笑みは今にも消えてしまいそうだった。
俺は固唾を飲んでから頷いた。
「私はね、小さい頃からちょっと体が弱くてね、風邪を引いただけでも重症化しちゃうし、結構大変だったみたい」
ちょうど、4歳の頃莉桜菜は白血病を発症したという。
早期発見でもあって、すぐに入院して治療して、でも元々体が弱いのもあったのか中々良くはならなかった。
「結局、移植しないといけなくなって、運良くドナーが見つかったの」
ドナー登録をしている人は、全人口に対して少ない。
そんな中でドナーが見つかったのは奇跡だったと両親は言っていたという。
「それで、移植して・・・たくさんリハビリして、治って私はようやく病気から解放されたんだ。
学校に行き始めて、毎年の定期検診もクリアしていって、お医者さんからももう大丈夫ですって言われて・・・・言われた、はずだったの」
莉桜菜は、言葉を切った。
ハッと彼女を見てみると、莉桜菜は静かに涙を流していた。
ポタ、ポタ、と手の甲に落ちていくのをそのままに莉桜菜は泣いていた。