キミに伝えたい言葉がある
「前に倒れて病院に行ったときにね。私は、薄々気づいていたんだ。もしかして、再発したのかなって・・・・そうしたら、案の定また・・・だけど、今度はそれだけじゃなかった。体の中の違うところも蝕まれて・・・・」
「莉桜菜・・・」
「ごめんね、こんな話・・・でも、聞いてほしかったの」
莉桜菜は、手の甲で涙を拭いながら笑おうとした。
でも、涙は止まらなくて、口元も笑みを作ることは出来ていなかった。
「なんでかなぁ?なんで私ばっかりこんなことになってしまったんだろう・・」
莉桜菜は、嗚咽混じりで俯きながら言った。
その言葉に俺の胸もグッとなった。
なんで莉桜菜だけ。
それは、俺も言いたかった。
「私の人生のレールはこんな道だったんだろうけど・・・神様は、酷いよね。私、そんなに悪いことしたのかな?」
ただ、普通に生きてきただけだった。
ただ、家族と一緒に笑って暮らしていたいだけだった。
ただ、友だちと一緒におもしろおかしく遊んで過ごしていたいだけだった。
「でも、また治療受ければ治るんだろう?」
縋るように俺は聞いた。
昨日、治らないと彼女の口から聞いたのに、残酷な言葉を俺は言う。
でも、これは俺の願いだった。
治れば、またいつもの日々を過ごせるようになる。
それまでは、苦しい日々が待っているかもしれない。
でも、それを乗り越えた先にあるものを目指せば、きっと莉桜菜なら耐えられるはずだ。
「俺に出来ることならなんでもする・・・だから、莉桜菜は病気が治る事だけを考えたら良い・・・それは、ダメなのか?」
俺の言葉があっているのかは分からない。
軽々しい事言わないでと言われるかもしれない。
でも、そう言うことしか出来なかった。