キミに伝えたい言葉がある


「莉桜菜が、やりたいことがあって、病室に美容師さんとか連れてきても大丈夫ですか?」
「髪を切りたいの?」
「いえ、そういうわけでもなくて・・・」


どうやったらわかりやすく説明出来るか、と考えて俺は、さっき莉桜菜に貰ったリストを出して看護師さんに見せた。


「これ・・・」
「莉桜菜がこれからやりたいことリスト、なんです。俺は、なるべくここに書かれていることを叶えてやりたい」


看護師さんは、リストに目を通してから俺に紙を返してくれた。


「キミは、莉桜菜ちゃんの今の状況、知っているの?」
「彼女から、話して貰いました」
「そうなのね・・・」
「だから、尚更、叶えてやりたいと思っています」


看護師さんは、少し考え込む様子を見せた後、ちょっと待っててとどこかに行ってしまった。


しばらく待っていると、看護師さんは戻ってきて、莉桜菜のリストに書かれたことはしていいと言ってくれた。


「え?」
「莉桜菜ちゃんの病室は個室だし・・・他の患者さんに迷惑がかからないことと、莉桜菜ちゃんの体調をよく考えることをしてくれたら、いいって担当医に確認とったから」
「本当ですか!」
「美容師さんも出張でしてくれるところもあるから・・・病院と提携しているところもあるけど?」
「それは、こちらで探しているので」
「そう、他に困ったことがあったら言ってね」
「ありがとうございます」


俺は、深々と頭を下げた。
良かった、これで安心して色々と出来る。


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