キミに伝えたい言葉がある
だから、テスト範囲を頭に叩き入れるのは短時間で終わらせなければいけなかった。
「で、勉強バッチリだろう?」
「だと、いいけどな」
俺は肩を竦める。
ちょうど、チャイムが鳴って、地獄のテストが始まった。
一日4教科。
それが1週間。
本当、地獄だ。
後期テストは主要な教科と保健体育などの教科も組み込まれてくるから厄介だ。
毎日テストをしては、次の科目を暗記し、それが1週間も繰り返されるなんてよくやる。
やっと解放される頃には頭はオーバーヒートしそうになっていた。
「お、終わった・・・」
机に突っ伏すると、ポンポンと労うように全が背中を撫でてくれた。
「お互い、お疲れー」
「お疲れ・・・」
「とりあえず今年のテストは終了だな」
結果は、随時返ってくる。
どうなってもこれで、今年のテストは最後だ。
今日から、部活動生は部活が再開される。
俺は、帰宅部だから今日から莉桜菜のところに心置きなく行くことが出来る。
「やっと、自由だ・・・」
「だな。真司、今日から塩田さんのところに行くのか?」
「あぁ・・・」
流石に長期にわたって学校を休むことになって、担任から莉桜菜についての話があった。
病気で入院することになったということと、不必要に見舞いなど行くことのないようにということだった。
何人ものが毎日行ったら莉桜菜だけでなく病院にも迷惑がかかることにもなるし、治るものも治らなくなるからと。
もう、治らない、学校にも来れないだろうとは、教師の口からは聞かされなかった。