キミに伝えたい言葉がある
「何これ?」
「この前の写真が出来たの。莉桜菜ちゃんに渡してて」
「あー・・・」
封筒に入っている物を出して見ると、綺麗に着飾っている莉桜菜と変に引きつった表情をしている俺の姿が映っていた。
隣にいるのが俺で申し訳ないくらいに莉桜菜は、可愛く撮られている。
「・・・これ、一枚しかないの?」
「え?」
「俺も、ほしい」
せっかくの莉桜菜が映っている写真だ。
出来れば俺も手元に置いておきたい。
そう言うと、母さんはにやつきながら「あるわよ」と言ってくれた。
「今、いる?」
「あるなら、後でいい・・・いってきます」
「いってらっしゃい」
意地の悪い笑みの母さんに見送られて俺は家を出た。
もう母さんに何を言われたってへっちゃらだ。
からかうなら存分にからかえばいいんだ。
妙に開き直って俺は今度は莉桜菜のいる病院に向かって歩き出した。
今日は、なんだか歩きたい気分だ。
そんなに遠くないし、いいだろう。
途中で、コンビニに寄ってゼリーを買う。
これくらいなら大丈夫だろう。
ぶらぶらコンビニの中を歩いていたら、アイスコーナーで足を止める。
そういえば、リストにアイス制覇ってあったよな。
明日にでも買っていってみようかな。