キミに伝えたい言葉がある
コンビニを出て、一度大きく息を吐く。
白い息が空に上って行くのを見ながら、俺はまた歩き出した。
病院に行くと、今日は妙に騒がしかった。
それは、莉桜菜が入院している階に入っているからで、何事かと思えば、看護師さんや医者が忙しなく走っていた。
誰か、体調が悪化したりしたのだろうか、と横目に見ながら邪魔にならないように歩いているとたくさんの看護師さんや医者が出入りしているところに俺は見覚えがあった。
「・・・え?」
そこは、莉桜菜の病室だったからだ。
俺は、持っていたコンビニの袋が手から落ちるのを気にもとめないで信じられない気持ちで莉桜菜の病室に近づいた。
「あ、ちょっとキミ!」
しかし、病室にたどり着く前に馴染みの看護師さんが俺を止めた。
肩を掴まれて引っ張られる。
力に任せて体は動いた。
看護師さんは、真剣な表情をしていた。
「今は、行くのやめておきなさい」
「・・・莉桜菜は・・・?」
「ちょっと調子悪くなっただけだから、大丈夫よ・・・今は、中に入らない方が良いわ」
頭を鈍器か何かで叩かれたような衝撃が襲ってきた。
看護師さんは、誰かに呼ばれて莉桜菜の病室に走って入っていった。
それから、まるでこれから誰も入らないようにと知らしめるようにドアを勢いよく閉めてしまった。