キミに伝えたい言葉がある



「あ、ケバブがある」
「何それ?」
「トルコ?だったかな、の料理・・・よし、私これにしようっ」
「ステーキじゃなくて良いのか?」
「うん、これでいい!」


莉桜菜は、ステーキをやめてケバブを注文していた。
俺も何にしようか悩んだが、とくにこれという物はなかったので、莉桜菜と同じ物にすることにした。


「呼ばれるまでちょっと時間があるねー」


注文して支払いも済ませた後、リモコンのような物を渡される。
できあがったらリモコンが鳴って呼ばれる方式だ。
一度、自分たちが取った席に戻る。
莉桜菜は、ぐるりとまた店を見た後、立ち上がる。


「ちょっと、行ってくる!」
「は?」
「待っててー」


そう言って莉桜菜は財布を持って行ってしまった。
どこに行ったのだろうか、食べたいものでも見つけたのだろうか。


少しして、戻ってきた莉桜菜の手にもたれていたのは、カップに入ったアイスクリームだった。
しかも、カップは二つ。
そして、中にはアイスが三種類ずつ。


「・・・アイス?」
「そう、食べたいの買ってきたの」
「ケバブ食べる前に?」
「食べたい欲求には忠実なのだ」


莉桜菜は、嬉しそうにアイスを頬張り始めた。


「んーおいしいっやっぱりアイス屋さんのは格別~」


頬に手をやって本当においしそうな表情をする。


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