キミに伝えたい言葉がある
腹も満たされて、特にショッピングモールですることもなくなったので俺たちは、外に出ることにした。
外に出ると、冷たい風が襲ってくる。
「さむー」
「さむすぎる・・・」
自転車に跨がりながら、ポツリと莉桜菜が呟いた。
「こんな寒かったら、海には行けないなー・・・」
「・・・海、行きたかったのか」
「でも、無理だねー諦めた!ね、真司君、公園行こうっ公園!学校近くの」
「公園・・・」
学校に近いから、誰かに遭遇してしまう確率があるんじゃないのか?
でも、今は授業中だし、いいか。
「分かった。捕まっていろ」
「はーい」
莉桜菜が、俺にしっかりと抱きついていることを確認して、俺は公園に向かって自転車を漕ぎ始めた。
今日が、まだ暖かくて風もそんなになかったら海にも行って良かったかもしれないが、こんな天気の状態じゃ難しい。
これ以上は、無理しない方が良いと思うので、妥協してくれて助かった。
10分くらい自転車を走らせると、公園が見えてきた。
平日の昼間なので、人はそんなにいない。
公園に入って自転車を止めて、莉桜菜を先に降ろす。
自分も降りてから、邪魔にならないところに自転車は止めた。
「久し振りの公園だなー」
莉桜菜は、感慨深げに公園を見渡しながらゆっくりと歩く。
俺は、少し後ろを歩きながら、でも莉桜菜に何かがあったらすぐに動ける場所に立つ。