キミに伝えたい言葉がある



俺は、お母さんと封筒を交互に見てから、ゆっくりと封を切った。


中には、可愛らしい便箋が二つ折りに入っている。
取り出して、開くと、莉桜菜からの手紙になっていた。


ーーーー拝啓、吉田 真司様。


この手紙を読んでくれている時は、私はもういないよね。
まず、色々と本当にありがとう。
真司君が一緒にいてくれたから、私は自分の人生が楽しかったと思えたよ。
我が儘たくさん言ってごめんね。
でも、嫌な顔しないで付き合ってくれて嬉しかった。
真司君と一緒に過ごした日々は、あっという間だったな。


転校してきて何も分からなかった私だったけど、
教室で初めて真司君を見たときに、私はビビビッて雷に打たれたみたいな感覚になったんだ。
おかしいでしょ?だから、ずっと付きまとっていたし、しゃべりかけてたし、
変な顔されても全然へっちゃらだったんだ。
でも、あとから思えば、神様が真司君が私の側にいてくれる人だよって教えてくれたのかもしれない。
最後にご褒美だったのかな?


たくさん遊んだね。
色々話したね。
真司君の歌、すっごく好きだったよ。
オーディションどうなったかな?
もしダメでも、唄うことやめないでね。
もし合格したら、有名になって私のところまで歌届けてね。
約束だよ?


真司君の笑う顔、怒った顔、困った顔。
全部、全部好きだった。


< 239 / 249 >

この作品をシェア

pagetop