キミに伝えたい言葉がある



「俺も、そう思うよ」


光平の言葉に、俺は笑った。





光平と一緒に何曲かギターと共に歌を楽しむ。
この時間が俺にとって本当に癒やしの時間になっている。
歌を歌っているこの瞬間だけ違う自分になれると思うんだ。
どれほど時間が経ったか、空を見上げれば、夜へと変わろうとしていた。
もうそろそろ家に帰る時間になるか。
こうやってギターを弾いて歌を歌っていられる時間がずっと続けば良いのにと思う。
嫌なことを忘れて、この時間にだけ浸っていられたらどんなに幸せなことだろうか。
そんなことを思う俺は病んでいるのだろう。


「あ、そうだ真司」
「ん?」
「前に言っていた曲のことだけど」
「あ?あぁ、光平が作るって言っていた?」
「そう、なんか良い具合に出来ていっているんだよな。思ったより早くお前に渡せそうだから楽しみにしていてよ」
「・・・あぁ」
「なんだ?乗り気じゃないか?」
「まぁ、な。俺なんかが歌って良いのか・・・」


そう言うと、光平はため息をついた。
呆れたような表情を俺に向ける。


「まーたそんなこと言う。俺がお前に歌ってほしいんだからお前は素直に受け取れば良いの」
「でもよ、」
「でもよ、じゃねぇの」


俺が決めたんだからいいと光平は言う。
前も思ったことを今日も同じように思う。
本当に良いのだろうか・・・と。


悶々と考えながらギターをいじっていると、澄んだ高めの声が聞こえてきた。


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