キミに伝えたい言葉がある
「えー!!!なにそれー!」
大きな声で叫ぶ女子の声。
声の主は、転校生。
大方、俺と同じように付き合っているかを確認されているんだと思った。
転校生の方を見てみると、友人に聞かれて驚いているようだった。
突然聞かれたらあの反応になってしまうだろう。
転校生がチラッと俺の方を見た。
でも、俺は彼女に視線から逃げるように目を反らしたのだった。
その日の昼休み、俺は変なことになってしまった。
「吉田くん、ちょっといい?」
昼ご飯を食べようとしていた俺は、女子に話し掛けられて何事かと思う。
「なに?」
「ここじゃ、なんだからこっち来て」
そう言われて女子は教室から出て行った。
俺は不思議に思いながら女子の後についていく。
ついて行った先は人通りの少ない廊下の隅っこだった。
「なに?」
「聞きたいことがあるんだけど」
そう言ってまっすぐ俺を見上げる女子は、今朝、転校生と話していた転校生の友人だった。
確か、名前は絢、だったか。
その顔は、どこか怒っているようにも見える。
俺は一体何をしたんだろうと思いながら彼女の言葉を待った。
「莉桜菜と、どういう関係?」
「・・・は?」
「莉桜菜と付き合っているの?」
怒ったような声で、問いかけられた。