キミに伝えたい言葉がある


それから一日の授業が終わるまで俺のイライラは収まることはなかった。
それが周りにも伝わっていたのか、誰もいつも以上に教師すら話し掛けてくる奴はいなかった。
HRが終わって俺はすぐに荷物をまとめるといち早く教室を出る。
転校生のことなんか全く気にもせずに、きっと昼間の友人がなにかしら言っているだろうと思う。
久し振りの1人での下校だ。
少し前まではこれが当たり前だったのだ。
今更何か違う感情を抱いたりはしない。


まっすぐ家に帰って、母さんに何も言わないで自分の部屋に引きこもる。
ベットに飛び込んで鞄はそこら辺に投げて、うつぶせになる。
シンッとした中で、頭の中に蘇るのは昼間の出来事だ。
彼女の言った言葉が何回も反復されて沸々と苛立ちが大きくなっていく。


なんで、俺があんなことを言われないといけないんだ。
俺が、転校生に付きまとうなんてありえない。
俺はあいつに何の興味もないというのに。
そもそも転校生が俺になんか話し掛けたりしてこなければこんなことにはならなかったんだ。


心の中で、転校生を何度も罵倒する。
そして、俺は悪くないと自分を庇うように何回も繰り返した。


そんな中、ブーブーとスマホが震えた。
無視しようとも思ったが、誰からかだけ確認しようとして、光平だったから内容を確認する。


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