キミに伝えたい言葉がある
屋上には俺1人残った。
「ついでに、お前たちのこと転校生に言っててやるよ」
にやりと俺は笑う。
きっと、転校生も笑うだろう。
俺は、やっと昼食にありつくことが出来た。
母さんの弁当はいつもおいしい。
俺の好きな物ばかり入っているからご飯が進む。
いつもより短い昼食の時間を満喫してから、午後の授業を受ける。
午後が平和で授業に集中できた。
一日勉強が終わると頭を使いすぎてオーバーヒートしたみたいに頭が熱くなっていた。
知識の引き出しにどれくらい入ったかは分からないが、今日のノルマは達成した。
家に帰ってまたギターでも弾こうかと思う。
そういえば、光平もそろそろ夏休みになるころだ。
今年はどこに遊びに行くのかまだ話をしていないな。
今日辺りしてみようか。
この後の予定を考えながら歩いていると、いつの間にか下駄箱にたどり着いていて、すでに転校生は外靴に履き替えて待っていた。
「真司君、遅いよー」
「悪いな」
「ね、スマホみた?」
「いや?今日は見ていない」
外靴に履き替えて玄関を出る。
自然と2人並んで校舎を出た時、後ろから男の声で転校生は呼ばれた。
「塩田」
「?」
俺は呼ばれていないが転校生と一緒に肩越しに振り返る。
そこにいたのは、昼間に俺に言い寄ってきた男だった。