キミに伝えたい言葉がある
俺も自分の家に帰りながら、スマホを取り出して光平にメッセージを送った。
すぐに既読になって光平からの返信が届く。
もちろんOKの返事だ。
待ち合わせ場所は、いつもと一緒だから決めなくていい。
時間もそれぞれのタイミングだから決めない。
「よし、さっさと帰るか」
自然と歩くスピードが速くなった。
家に帰って準備して、少し小腹も空いているから何か食べて。
ギター持って河原に向かう。
頭の中で、今からのスケジュールを浮かべながら、家路につく。
浮かべた通りに家に帰ってから準備を始めた。
運良く、というかリビングには、珍しくコンビニの肉まんが置いてあった。
たまたま母さんが買ってきていた物で食べて良いと許可も出たので頬張って小腹を満たす。
身支度もすぐに済ませて、ギターを抱えて母さんにいってきますと挨拶をする。
「いってらっしゃい。気をつけなさいね」
「はーい」
毎日の日課を母さんは、非難することなく見送ってくれる。
好きなことをさせてくれる母さんには、感謝しかない。
面と向かって言ったことはないけれど。
学校に行くときに履く靴ではなくで普段用の靴を履く。
靴紐のついた靴はひもがすぐにほどけてしまうのであまり好きではない。
簡単に脱ぎ履きの出来るスニーカーを履いて俺は河原に向かった。