キミに伝えたい言葉がある
「決まったー?やりたいやつに挙手してー」
委員長は、白のチョークを持って一つ一つ種目を言い始めた。
「まず、100Mー」
100M走は、個人競走。これくらいの距離だったら俺だって走れる。
俺は、100M走に手を上げた。
俺以外にも何人か手を上げる。
「あー・・・と、100Mは2人だからなー・・・よし、じゃんけんだな。俺に勝った奴が出場なー」
立って、と言われて俺は立ち上がった。
俺以外の100Mがいいクラスメイトも立つ。
「はい、それじゃーじゃーんけーん、ぽん!」
委員長は、チョキ。
俺は、グー・・・よし、勝った。
「お、吉田勝ったみたいだなー決まりー・・・はい、もー1回。じゃーんけーん・・・」
俺は、椅子に座って安堵の息を吐く。
よかった、はやく決まった。
じゃんけんに勝った運の良い自分を心の中で褒めた。
「吉田、決まって良かったな」
「あぁ・・・結局何にするんだ?」
「騎馬戦だな!楽しそうだし」
ニカッと笑う牛島君の笑顔は爽やかで、誰にでも好かれそうだな、と思った。
牛島君は、委員長が騎馬戦を呼ぶと喜んで手を上げていた。
意外に騎馬戦を希望する人は出られる人数ちょうどで揉めることなく決まっていた。