キミに伝えたい言葉がある
9月になったというのに、毎日茹だるような暑さが続く。
「あつ・・・」
空を見上げれば、雲一つもなくギラギラと太陽が輝いている。
地面に体力が吸われそうな中、俺たちは校庭で体育祭の練習をしていた。
練習といっても走ったり競技の練習ではなく、組体操などがメインだった。
体育の時間を使って、男子は組み体操、女子は応援団の練習。
それぞれに分かれて行うが、男子は外での取り組みだった。
「次いくぞ!!」
体育教師が叫ぶ。
組体操は、二人組のものから六人組のものまで様々で、教師の笛の音に合わせて行う。
裸足で砂や石が攻撃してくることにも気にとめられない。
ある程度通したら休憩を入れられる。
長時間し続けることは熱中症になりかねないので、こまめに水分を取って、そして、体の体温を冷やす。
「あー・・・」
陰に座って俺は深く息を吐いた。
疲れた・・・体力はもうほとんど残っていない。
そんなに激しい動きはしていないのに、この暑い日差しの中にいたらどんどん体力が削られていく。
「おー真司ー」
同じくふらふらしながら全がやってきた。
俺の隣に座って深く息を吐く。
「やばい、暑いな」
「死ぬ・・・」
「あぁ・・・」
男はこんなに辛い思いをしなければいけないなんて男に生まれてきた自分を少し呪った。