君影草は誠を乞う

二人の男をよく見ると、
浅葱色の羽織を着ていることに気づく。
浅葱色の羽織?
アレ?どっかで聞いたことあるなぁ。
何だっけ?

「ねぇ、君。
ちょっと一緒来てもらうよ。」

私が、必死に記憶を辿る中、
栗毛の男の方が突然私に声を掛けた。
口元には笑みを浮かべているが、
目が笑ってない。

うん、マジで怖いから
一緒にいきたくないです。

「えっと、
知らない人について行くなって
言われてるんで…」

「悪いけど、
君に拒否権なんてないから。」

私が、拒否しようとした瞬間、
栗毛の男は私の言葉を塞ぎそう笑顔でいった。

いや、
悪いけどって言ったけど、
この人、絶対悪いと思ってないでしょ…
第一本当に目が笑ってない。
これを笑顔なんて言わない。
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