君影草は誠を乞う
−ヒュッ
「ッ!?」
突然、
後ろから殺気を感じ、私は右へと飛び退く。
すると、一瞬とり残された髪の一房が切られ
ハラリと宙に舞う。
すかさず、第二撃が肩口を狙いやってくる。
しかし、第二撃は一撃より遅く、
後ろに飛び避ける。
「だめじゃん、一くん。今の外したら。」
「…うるさい総司。」
どうやらこの黒髪の私の髪を切った方は 一で、
栗毛の軽薄な方が総司という名らしい。
てか、
なんか冷静に状況整理してたけど、
いまこの人、
確実に私の首を狙ってだよね!?
もし私が避けられなかったら、
今頃、首と胴体繋がってなかったよ⁈
「いきなり、善良な一般市民の
首を狙ってくるか?普通…」
「はっ一般市民って…
さっきの不意打ちを
難無く躱してよく言うよね本当。」
私が引きつった笑みを浮かべそう言うと、
栗毛の男は、嘲笑して言った。