君影草は誠を乞う

−カチッ

栗毛の男は、
腰に下げている刀に手を掛けると、
刀を抜き、構えた。
その流れるような仕草から、
この栗毛の男も、
優れた剣客であることが見て取れる。

さっき見せた、黒髪の男の鋭い剣といい、
この二人の男の相手は相当骨が折れそうだ。

「ちょっと、
おにーさんたち好戦的過ぎない!?
できれば、戦いたくないんだけど…」

「……次は、斬る。」

駄目だ。
この黒髪さん人の話聞かない人だ。
栗毛さんも、やる気マンマンって感じだし…
どうしよう…


よしっ、逃げよう!!


黒髪さんと栗毛さんの殺気溢れる
熱い視線を無視して、
後方へ全速力で駆け抜ける。

「ツおい待て!!」

まさか逃げ出すとは思っていなかった
おにーさんたちは、
一瞬呆気に取られたように怯むが、
逃がすまいと、追ってくる。
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