君影草は誠を乞う

だが、一瞬怯んだ間に、
私は、おにーさん達との距離を一気に放す。


ふっふん、
逃げるが勝ち!
足の速さには自信があるのです!!

しばらくして後ろを振り返ると
おにーさん達の姿はない
どうやら撒いたらしい。

一瞬の隙が命取りだったな!!
はっははー ツおっと危ない…。

自慢の足でおおにーさん達を振り切った後も
調子に乗って走り続けて、
危うく転けそうになったことは、
誰も見てないことをいいことに
なかったことにした。


そうして災厄の日の夜は、
結局一睡も出来ず、
私の持久走によって明けていったのであった。
< 18 / 74 >

この作品をシェア

pagetop