君影草は誠を乞う

一方、
伊織を追いかけていた
総司と一と呼ばれた男達は、
伊織自慢の逃げ足の速さに追い付けず、
雪に足跡も掻き消されたため、
やむ終えなく追跡を諦めた。

「……チッ、
雪が降ったせいで足跡が消えて、
追跡は無理だ。
奴が斬った遺体を片付けて帰るぞ、総司。」

「まぁそうするしかなさそうだねー。」

一は舌打ちをした後、
元来た道を歩いていく。
総司もそれに続くように歩く。
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